- 小塚 泰彦
トランスクリエーションの事例5
中国がコカコーラを輸入し始めたのは1920年代のことです。
中国語で"Coca-Cola"の音を再現した漢字にすると、意味がなかなか合いません。漢字はそれぞれ一つひとつに意味が多様にあるため、困難を極めました。
"Coca-Cola"の音をそのまま漢字で表現すると、「ワックスで作られた雌馬」「ロウソクでできたオタマジャクシを噛む」のような意味になったそうです。
1928年、ようやく「音と意味」を解消する妙案が出来ました。
可口可樂
この発音は“Kokou- Kolay”で、"Coca-Cola"の音にとても近く、「口が喜ぶ」といった意味。
トランスクリエーションの歴史の中でも初期に達成された好例です。
出典:『The Little Book of Transcreation - Insight into the world of creative translation 』
